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第一章〜日常の崩壊〜
6 Everyday collapse
A door of fate was already opened.
And it drags lost people.
It is collapsed by the door that she lived everyday.....
丁度デザートを食べ終わり亜美はホッと一息ついた。 今雪乃は台所に食器を持っていって洗っているはずだ。
亜美が稼いできて、雪乃は家庭内の仕事をする。 それは自分達で生活をしはじめるときに決めたルールで、 今でも「夫婦みたいだ」と思ってしまうことは秘密である。
ご飯も食べ終わったし、出された大量の宿題を早く済ませようと立ち上がった瞬間
食器が割れる音、そしてそれに次いで、何かが倒れる音がした。
一瞬固まった後亜美はすぐに台所へと駆けつけた。 床の上には、洗っている途中だったのか泡や水のついたまま割れている皿と 倒れた雪乃。それを見て亜美は思わず声を上げる。
「雪乃!?」そして倒れている雪乃の下に手を入れて上半身を起こす。 先程までは普段通りだった顔色は青白く、肌も心なしか冷たい。 そのことに動揺した亜美は、知識として知っているはずの事も全て頭から抜けていた。 今まで雪乃が倒れたことは1度も無かったし、そんな事とは無縁の場所にいると考えてきたからだ。
亜美は、雪乃雪乃と何度も名前を呼びながら軽く頬をたたいたりするが、 雪乃は身じろぎ一つしない。そしてしばらくすると少し冷静になる。
「そうだ、医者に・・・」そうつぶやいて服が少し濡れるのも気にせず雪乃を背負う。 雪乃に意識がないせいか、普段よりずっと重い気がする。 そんな事は今考えることではないと思い、雪乃を背負ったまま財布をだして、玄関から外へ出た。
遠くの方で少しざわざわとしているのが聞こえた。 嫌な予感がして、足を進めながら何だろうと考えていると、 傍を通りかかった人が話している言葉が耳に入る。
「・・・・クラウドが・・・て・・・よ・・・」 クラウドという言葉に反応して思わず立ち止まってしまう。
どういうことだろう・・・?聞き間違えか・・・?
再び亜美は足を踏み出した。先程より足早に。
ようやく近くの小さな医院に付くかと思った時、今自分が来た方向から警官隊が走ってきた。 とりあえずすぐ傍にあった建物の影に隠れる。
「ど・・ったん・?クラウドはど・・、見つけた・?」
「まだです・・・いえ・・いないよう・・・た」
読唇術で欠けていた言葉はわかった。 わかったからこそ更に奥へと入っていく。
『どうだったんだ?クラウドは何処だ、見つけたか?』
『まだです。すでに家にはいない様子でした』
雪乃がこんな時にと思いながらも、 医院の前に警官がいるため出られず、立ち往生する。
何故家が・・・?この感じだと家を調べられたのか・・・?
思考に少し耽るも、更に間の悪い事に遠くから多くの人の足音が近づいてきた。
亜美は見つかる事を恐れ、路地のずっと奥まで入って行く。 足元にあるゴミに何度か躓きがら進むが、行き止まりだった。 しかも先程の通りからぎりぎり見えそうな場所だ。
どこかにしばらくでいいから隠れる場所をと思ってもう一度壁の方を振り返ってよく見ると、 1つの古いドアがあった。
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7/26 緑風 花音
英語訳はマウスを上に乗せてください。 英文はめちゃくちゃなのであてにしないでください。。。